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小湊鐵道 石川晋平氏と石川卓生氏

強みを共通言語にする組織へ
小湊鐵道で始まったストレングスファインダーの挑戦

千葉県・市原市の里山を駆け抜ける小湊鐵道。100年の歴史を背負う伝統企業でありながら、今その内部では「強み」を軸にした、驚くほど軽やかで新しい対話が生まれています。

「組織を大改革しよう」という大号令ではなく、代表コンビが「面白そう」という直感で始めたストレングスファインダー。それがどのように幹部、そして現場へと波及していったのか。石川晋平氏と石川卓生氏の二人が、その軌跡を振り返ります。

Ambition22が伴走したのは、単なる診断の実施ではなく、強みを“共通言語”に変えていく組織づくりのプロセスでした。

小湊鐵道様で実施した ivica strengths の流れ

強みを“共通言語”にしていくプロセスは、いきなり全社で始める必要はありません。小湊鐵道様では、経営層から現場へ、段階的に広げていきました。

STEP 1
対象:
代表お二人
実施:
ストレングスファインダー受検+結果解説会
ねらい:
自らの強みと弱みを把握し、コンビの役割を再定義
STEP 2
対象:
幹部3名
実施:
ストレングスファインダー受検+合同解説会
ねらい:
共通言語を構築し、意思決定の納得感を向上
STEP 3
対象:
全6部署
実施:
ストレングスファインダー受検+部署別ワークショップ(各1時間)
ねらい:
現場レベルでの他者理解と、強みを活かしたチームづくりを支援

※実施内容は組織の状況に合わせてカスタマイズ可能です。

強みを言語化し、互いの違いを“掛け算”に変える。それが、伝統を更新していくための現実的な一歩になります。
小湊鐵道 対談風景

始まりは「面白そう」という直感。中華料理店での「丸裸」フィードバック

――ストレングスファインダーを導入されたきっかけは何だったのでしょうか?
石川晋平さん(以下、晋平):

きっかけは、クラウドファンディングのイベントで羽生(直剛)さんと知り合ったことでした。お話を聞くうちに「これは面白そうだ」と直感し、まずは自分たちで受けてみようと、軽い気持ちでスタートしました。

石川卓生さん(以下、卓生):

その後、中華料理店で食事をしながら、私たち二人の結果についてフィードバックをもらったんですよね。

晋平:

あの報告会では、強みだけでなく弱みまで丸裸にされた感覚で、少し恥ずかしかったですよ(笑)。でも同時に、ものすごい納得感がありました。私はポジティブな人間なので、下位資質を知ることも非常に勉強になった。例えば、自分には「規律性」が全くないことが判明し、逆に肩の荷が下りたというか、良い意味で開き直れるようになりました。

卓生:

弱みを周りが知ってくれているという安心感は大きいですよね。

晋平:

そうなんです。「一人で背負わなくていい」という開放感のおかげで、今は自分らしく経営に向き合えています。

HANYU NOTE

経営者が弱みを公開することには勇気がいります。しかしそれは、小湊鐵道が大切にしている「オープンシー」の実践そのものだと感じました。

「オープンシー」とは、“オープンにする力”を意味する小湊鐵道様の造語です。会社のあらゆることを明らかにしていくには根気がいりますし、自分自身を曝け出すには勇気が必要です。

ですが、オープンにすることは弱さではありません。信頼を生み、組織に自由をもたらす行為です。

ストレングスファインダーで資質を開示することは、単なる自己理解ではなく、組織文化の土台をつくる一歩なのだと思います。

「社長の孤独」と現場の「ヤベェ」。資質が解き明かした理想のコンビネーション

――お二人が小湊鐵道で共に歩み始めるまでには、どのような経緯があったのでしょうか?
晋平:

私は2005年に入社し、2009年に取締役社長に就任しました。一人で社長をやっていた頃は、事業を成功させないと、とか、給料も上げないといけない、とにかくいろんなことに手を出していました。もちろんうまく行ったものもたくさんあったけど、社内の組織とするとかなり歪な感じになっていて。現場と経営の距離感があったり、現場は不満が蓄積していたりしたんですね。当時の私は、組織のあり方について深く考えたことがありませんでした。組織がどうだとか、管理職を経験したことがないから。とにかく業績と給料を上げればいいと思っていたんです。それで、タクさんから、いや、なんかおかしいんじゃないかとかって言われて、衝撃的でしたよ。

卓生:

初めて現場を見たときの感想は正直「ヤベェ(これは大変だ)」でした。社長(シンさん)は楽しそうにやっているのに、現場は怒ってるんですよ。これでは組織は回らない、と感じました。それをシンさんに伝えたときは、かなり驚いていましたね。

晋平:

それで、管理職の8割近くも入れ替えて、若手の抜擢もしましたね。受け身な人間とか、昔のやり方にこだわっている人たちは自然とやめていく人もいました。今では、タクさんが現場の人間関係構築を一手に担ってくれているので、私はのびのびやれています。改めてストレングスファインダーの結果を見ても、戦略的思考力の高い私と、人間関係構築力の高いタクさんは、非常に補完関係の取れたコンビだということが分かりました。

卓生:

圧倒的なコミュニケーション量があり、建設的な対話ができているからこそ、意見が割れることはほぼありません。もしあったとしても、自然と「一回寝かせて明日考えよう」という流れができているので、一方が納得しないまま物事が決まることはなくなりましたね。

晋平:

現場の調整やメンバーの成長促進はタクさんに任せ、私は経営者として言うべきことは言う。この役割分担が自然にできてから、私自身の気持ちにも余裕ができ、家庭での空気感まで良くなりました(笑)。

HANYU NOTE

サッカーのチームづくりでよくお話しするのですが、全員がフォワードではチームは成り立ちません。

ゴールを決める選手もいれば、守る選手、つなぐ選手がいます。強いチームとは、能力が揃っているチームというよりも、役割が噛み合っているチームだと思っています。

戦略で前に出る晋平さんと、人間関係を整える卓生さん。資質が異なるからこそ、衝突ではなく補完が生まれているのだと感じました。
「強みの掛け算」とは、まさにこの状態を指すのではないでしょうか。

組織に広がる「共通言語」。ゴルフ場のスタッフまでが語り出した理由

――その変化は、他の社員の方々にも波及しているそうですね。
晋平:

幹部3名と報告会をした際も、「個性を理解することで他人に優しくなれるし、ストレスなく仕事のアウトプットが捗る」という声が上がりました。その後、部署のメンバーにもワークショップを実施しましたが、「全員の強みを知り、これを最大限に活用すれば強いチームになれる」と前向きな反応が返ってきています。

卓生:

面白かったのは、シンさんがゴルフ場に行った際のエピソードですよね。

晋平:

そうそう、社員の一人が「社長、二人の資質は何ですか? あれ面白いですよね!」と自ら声をかけてきたんです。以前はそんなことを言うタイプではなかったのに、組織に「共通言語」が生まれたことを実感しました。ゴルフのグリーンキーパー二人も、強みが全く違うからこそ補完関係が生まれるんだと、自己認識や他者理解を深めています。

卓生:

私自身、どうすればチームが良くなるかを考えるのが好きですし、人事がうまく回り出し、パフォーマンスが向上することに大きな幸せを感じます。自分の役割に徹する自信がつきましたね。「戦略性なんかいらねえ」って(笑)。

HANYU NOTE

組織が変わる瞬間は、大きな制度変更のときではないことが多いです。

「社長、二人の資質は何ですか?」と現場から声が上がること。それは、組織に“共通言語”が生まれた証だと思います。

強みを言語化することは、他者理解を促し、役割の明確化につながります。そしてそれが、心理的安全性の土台をつくっていきます。
資質はラベルではありません。チームの可能性を広げるための地図のようなものだと私は考えています。

COMPANY PROFILE

小湊鐵道株式会社について

小湊鐵道株式会社は、千葉県市原市に本社を置く、1917年設立の地域密着型企業です。鉄道事業では、JR内房線の五井駅から上総中野駅までを結ぶ小湊鐵道線を運行し、地域住民の移動や房総観光を支えています。あわせて、乗合バス・観光バス事業も展開しており、交通インフラを軸に地域の日常と観光の両方を支える存在です。公式サイトでは、自社を「創立100年の里おこしベンチャー企業」と掲げており、単なるローカル鉄道会社にとどまらない姿勢が印象的です。

小湊鐵道の魅力は、千葉・房総の里山風景とともにある鉄道であることだけではありません。鉄道、バス、観光、関連事業を通じて、地域に人の流れをつくり、沿線の価値そのものを高めようとしている点にあります。歴史ある会社でありながら、「守る」だけではなく、「どうすれば地域がもっと面白くなるか」を考え続け、挑戦を重ねている。その姿勢こそが、小湊鐵道が多くの人を惹きつける理由だと感じます。

Ambition22がご一緒する中で感じたのは、小湊鐵道が地域の未来をつくる会社だということです。100年以上の歴史を持ちながら、組織づくりや人材の活かし方にも目を向け、現場・経営・地域の関係性を少しずつ更新している。こうした積み重ねが、地域に愛されるローカル鉄道であり続ける理由なのだと思います。小湊鐵道は、千葉県市原市から房総の魅力を発信しながら、地域のために挑戦を続ける、面白い会社です。

房総の里山を走るその鉄道には、地域とともに未来をつくる企業の物語が乗っています。

小湊鐵道の車両風景

企業様へ:まずは気軽な自己理解から始めてみませんか?

Ambition22は、あなたのチームに合わせた最適なストレングスファインダー活用をご提案します。
「うちのチームはどうかな?」と思われたら、まずはカジュアルにお話しましょう。

※ご相談内容に応じて、実施ステップや範囲をご提案します。

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